台湾出張 No2

2泊3日の台湾出張なので、時間はタイト。

台湾出張 No1

今日は台北から台南の工場に日帰りで向かうので、新幹線で向かいます。ここが台北駅。

「新幹線」、と呼ぶことからも分かるとおり、日本の新幹線です。元々、ヨーロッパ連合の推すTGV系と日本側の新幹線のどちらを採用するかということで、最終的に日本側が採用されたわけですが、そこに行き着くまでにも複雑な台湾の事情が垣間見えます。

当時のクリントン政権がもろ中国寄りで、台湾の独立性を嫌う中国に配慮して、アメリカの戦闘機の販売を拒否したのです。アメリカ製をあきらめ、フランスの戦闘機を購入するとなると、フランス(+ドイツ)が推すTGV系の購入をせざるを得ない状況に。もちろん、中国との融和を目指す国民党はTGV系を推し、台湾独立派の民進党は日本製を推すという状態。

でも、ちょうど1999年、当社の代表も現地で遭遇した、M7を超す大地震があったことで流れは大きく変わり、耐震性を備える日本製が優位に立ち、同時になぜかアメリカの方針転換で、戦闘機のF16を販売が可能となり問題解決。最終的に日本製になったのです。

けれど、ハード、ソフトがすべて日本製ではなく、ドイツ、フランスのシステムも組まれているようです。

ホームの雰囲気などは日本と同じ。陳さんがいなかったとしても、1人でも十分利用できる環境。

ワタシは興味ないのですが、川居相談役はクルマ、バイクだけでなく、乗り物はどうやら何でも好きな様子。動画までとって、それを後で見返して、はあはあと興奮するんでしょうか(笑)ワタシは乗り物にはまったく興味ありません。クルマも(苦笑)。

車内が清潔なのは当然ですが、何より驚くのは日本と同じく非常に静かで整然としていること、そして女性の係員の方の多さ。車内販売もされているのですが、驚くのは身体の不自由なかたへの介護補助。駅に到着直前、どこからともなく現れて、颯爽と乗降の介助をされている姿に感動しました。日本は、こういう面は遅れていると正直感じました。

台北から台南に到着です。車だと約300キロ。高速道路を使って3時間半ほどかかります。新幹線なら1時間40分。はや~い。しかも、料金は片道¥4,000程度。イメージ日本の半額程度です。

さて、工場に到着。でかい。とにかくデカイ… 当社と長年お取引させていただいている工場で、当社のある部品の一部を製造してもらっています。ここでは、非常に難しい形状のアルミ製品を依頼しています。台湾は日本よりも欧米に向けての自動車部品の販売量が尋常ではないので、日本のアフターパーツ業界では購入できなような、特殊は巨大な精密工作機械を持っているのです。「安いから海外で買う」と考える人が多いし、実際そういう商売もありますが、当社は「適材適所」という発想で、特殊な技術や機械をもっているところがたまたま海外にあった、そういう感覚です。

この20年近く取引してきた会社の社長さんが半年ほど前に亡くなっていたのを、会社はずっと伏せていたそうです。ライバル工場が多く、政治的に伏せておかなければならなかったようです。このゲームスタンドは、亡きお父様の息子さんが入社して早速作った試作品。

自社生産で過去にPS3用のゲームスタンドを販売していた川居相談役も興味津々。

「これ、もう販売してるの?!」

と興奮気味でしたが、あくまで息子さんが個人的に作った状態で、量産は現在未定とのこと。でも、そのセンス、お父様ゆずり。すげえな、いまどきのゲーム、シーケンシャルミッションにしちゃってる!まあ、ワタシはもっぱら萌えげーの専門なのですが(笑)

お悔やみのご挨拶も終えて、軽くランチに。台湾の人はおもてなしを大事にされるので、高級日本料理屋さんを予約しようとしましたが、食い意地のはったワタシと相談役は、そんなものより絶対に食いたいものがある!と逆リクエスト!

そう、台湾名物「牛肉麺」です。

社長婦人と息子さんはビックリ仰天。「そんな失礼なところに…」という雰囲気を私たちはバッサリ。そう、何がなんでも喰いたいんダ!

これ!これこれ!

正直、初めて牛肉麺を食べにいったときは、ドン引きでした。グロテスクに見える肉がごろごろ。ダシも濃そうで、麺はラーメンではなく、うどんに近い感じ。なんだコリャ… が第1印象。そして一口「…?」という味ですが、食べ進めていくと、うまい!ダシは色んな具材の旨味の集合で、非常にあっさりとした醤油風味。肉は見た目とはうらはらに、箸で千切れるほどホロホロ。あえていうなら、牛テールスープの醤油版。一度食べたら、とてもクセになってしまい、ラーメンよりこっちのほうが美味いと思う今日この頃。はやく引退して、日本でこの店オープンしたい。台湾のどこにでもあるので、一度は行ってみるべき。

社長婦人と息子さんはまぜソバみたいなのを食べてました。うまそう…やっぱ地元の人が食べるものって絶対美味いに違いない。次回はコレだな。

100人近い従業員を抱える会社ですから、社長亡き今、奥さんが社長として奮闘されますが、息子さんが会社に戻ってきたことは心強いに違いありません。ちなみに、ワタシも川居相談役も、この息子さんと一緒に食事をしたことが10年近く前にありました。ええ…当時、彼は小学校高学年くらいだったかもしれません… 歳は取りたくないもんです(苦笑)

そして、亡き社長の右腕だった工場長が、いつも優しく送迎してくれます。写真撮り忘れてた… 当社もそうですが、長年勤めてくれている社員の存在というのは大きいものです。技術力、知識量、仕入先、販売先、そして何より社風を理解している人間は、どんなに大金をはたいても、雇うことは出来ません。あえていうならクルマと仕事が好きでは無い私の本業は、GOOGLE翻訳ソフトの発達でお役ゴメンになりそうですが(泣)

この様子なら全然大丈夫だ、と一安心。亡くなった優しくお酒好きの社長ともう会えないのはザンネンですが…

今回の出張、無事終了(え?ナニもしていない?喰ってばっかり?いや、見せてないだけですよ…(汗))。

さて、台北にとんぼ返り!

帰りも何度も目撃しました。車椅子や体の不自由な方の介助。

日本でもやっているでしょうけれど、現場を見ればわかりますが、とにかく係員の方が積極的にサさっと、やっていく印象。手際もよく、みていて気持ち良い。

本人からリクエストを大げさにしている様子もありません。何より、顔写真はさすがに撮りませんでしたが、みんな美人!

台北に到着したらタクシー。台湾のタクシーも他のアジア国同様、色んな車種があって楽しい!そして特にあたると嬉しいのがトヨタウイッシュとカムリ。だって中がめちゃくちゃ広いし、荷物も置きやすい!

台湾出張の何よりの楽しみは、もうこれしかありません!小龍包の王様、ディンタイフォン!台北本店!日本にも高島屋を中心に支店がありますから、未体験なら絶対行くべき!過去食べた小龍包、全部まがいものだったと気づきます。けれど、やっぱり支店と本店とでも、味が段違い…

https://www.dintaifung.com.tw/jp/

夜の8時でも人だかりの30分待ち… 昼間は恐ろしくていけません… もちろん回転も早く、何より店員さんが異常なまでに優秀な上で、この待ち時間なんです。本店を訪問するのはアジア、欧米、その他色んな人種。何せ世界的に有名なお店。世界10大レストランに入ったこともあるんです。

左側の受付で、予約番号とメニューと注文票をもらいます。

もうすっかり手馴れている川居相談役。

中国語、日本語、韓国語、英語、その他ナゾの言語、なんでも話せて対応する受付嬢たち。この店の店員さんはみなスーパーエリート揃いというのは有名な話。

退屈な待ち時間は、肉眼ではっきり見える、台北101タワーを愉しみます。

この商業施設、高さなんと509m!え?スカイツリーは634mだって?何をいってるんですか、あれはタワーでしょ。これは商業施設。比較対象が違う。ただの電波塔と比較するのは失礼。日本一高い商業施設があべのハルカスで300mなんですよ。スカイツリーも迫力はあるけど、迫力なら正直このTAIPEI101のほうが圧倒的。ビビリマス。

ちなみに世界一は有名なブルジュハリファ。ドバイですね。タワーとしては高さ828m、ビルとしては636m。これが建てられるまでは101が世界一だったんです。それにしても、旧約聖書はじめ、色んな宗教で高い塔を建てた人間は、神さまに叱られているはずなのに、好きなんですね、高いところ。

店内はきれいですし、トイレにはなんとウォシュレットが装備!

個人的には日本のビールより絶対おいしいと思うのが台湾ビール。お疲れさまでした!川居相談役にいたっては、まだ料理がでてないのに、箸をもってフライング気味。

台北本店だけでしょうね、たけのこあるの。嬉しい!

クウシンサイ、その他野菜炒めは、注文必須アイテム。

これも絶品。干し豆腐もおすすめ。日本で言う湯葉に近いものですが、食感が段違い。

チャーハンも絶対注文したほうがよいです。特に蟹身はヤバイです。

でもね、これがでてくると、もう無言モードに入ります。中身も色んなものがあるのですが、王道の普通の小龍包が悶絶レベル。本能にズドンと来る味。

この組み合わせで、過去何人もの知人が悶絶してきました。搾り出すような声で、

「生きててよかった…」

とさえつぶやいてしまうヒトも多数。私も死ぬ前に食たべたいものはこれと決まっています。

食べながら、この時間が永遠に続いて欲しい、なぜオレの腹はそんなに簡単に一杯になってしまうんだ…

陳さん、ありがとうございます。

台南出張もあり、遅いご飯で、食べ終わったらもう10時。日本時間は11時。普段9時に寝るワタシはもうボロボロ。

あっという間に朝。いつもお世話になっているホテルです。部屋が広くて清潔。受付も日本語もペラペラな人ばかりで、いつも世間話を愉しみます。

空港への道中、必ず見える丸山大飯店。過去、世界10大ホテルとも謳われた老舗名ホテル。陳さんはここの家族会員…何度か昼食などで連れて行ってもらいましたが、スゲエの一言。ワタシが宿泊できることは一生ないと思われる別世界。

このあたりに来ると、帰りたくないモードに入ります。

台湾は美人が多い…手足が長くて、スタイルがいい人多い。

これをいつもやられてまいるんです。京都の老舗旅館女将も真っ青の、陳さんのさよならの挨拶。遠く、小さくなってみえなくなっても手を振ってくれているんです。日本人より日本人しているのが陳さん。実際、ワタシよりはるかに日本の文化にも詳しい。国際人の鏡です。

台風20号の中、なんとか無事到着してくれました。高速道路では珍しくきれいな虹が見えました。写真で撮るとどうしても小さく見えますが、肉眼だと過去最高に大きく、きれいでした。

使いまわされた表現ですが、私もこの仕事でほんのちょっとは虹のように、会社とお客様、会社と取引先、会社と世界を繋げる役割にほんの少しでも貢献できていればいいな、と、そのために酷使されて飛び出した立派な腹をさすりながら岐路に着きました。

さて、明日から、通常営業に戻ります。溜まっている新商品や開発情報もアップしていきます!